君に贈る言葉
読書をしない20歳の君へ贈る言葉です
知情意
「本は総合メディア。知情意が中にある」
- 立花隆 -
本なんていらないよね?
ネットの時代に、知識なんてスマホで検索すればすぐ出てくるじゃん。
皆さん、本がいらないというのは間違った理解です。
本には、3つの大事なものが込められています。
それが知情意(ち・じょう・い)です。
1つ目は知である知識。
本にある知識は整理されたものです。
事実の積み上げと、そこから生まれる仮説という知識も学ぶことができます。
その仮説が正しいかどうかを、自分で確かめる事もできます。
2つ目は情である感情。
情けといったほうがいいかもしれません。
人間の知識には感情というものが込められています。
人はどんなときにどんな感情を抱くのか?
人間の感情は経済学でも重要な最先端の研究課題で、インターネットからは学べません。
そして、3つ目が意である意思と意志。
人は知識からくる理とそれとは別の感情からくる意思が複雑に絡み合って、行動します。
感情にかられて感情の赴くままに行動するのは意思の力です。
それに対して、
感情に逆らい
知識にも反発し
仮説の正解を求めて行動するのは
意志の力のおかげです。
いま、全世界で求められているのは意志の力です。
くじけず、諦めず、自分を信じて行動していく力です。
この意志の力はインターネットや学校や会社では絶対に学べません。
仮説から見つけ出した法則は、自分だけのモノにしておきたいのが人間が抱く感情です。
だから、だれでも意志の力は秘密にしておきたいのです。
じゃあどうやって意志を学ぶのか?
それは、本を読むことで学べます。
本には作者の意志の力の一部分が込められています。
だからってビジネス書や歴史書を手当たりしだいに読めといっているのではありません。
一番のポイントは、誰が書いた本かということです。
本の内容は、書いた人の意志によります。
周りの意見に左右されず真実の力のみに動かされて書かれた本を読まなければいけません。
では、どうやってそんないい本を探して選べばよいのでしょうか?
それは、
まずは、自分の直感に従ってください。
自分が、この人いい! と感じたその人の本を読むのです。
テレビで見つけた人でも、ラジオやポッドキャストでいいなと思った人でも、そしてYoutubeでピンときた人でも構いません。
彼らの名前で、インターネットで検索するのです。
すると彼らが書いた本が山のように出てきます。
過去の本は図書館で検索するのも、いいかもしれません。
図書館で著者名で検索すると、過去に書かれた彼らの本がズラッと表示されます。
題名だけ見ているだけでも、どんな考えで本を書いているのかがよくわかります。
小説でも読み物でも構いません。知情意に注目して本を読んでいれば、なにかが見えてきます。
自分の直感に従って読む本を決めてください。
いきなり答えにはたどり着けません。
答えとは、
自分のやりたいことを見つけるとか、
好きなことを見つけるとかです。
何度も何度も、直感に従った本を読んでください。
何度も何度も、これ違うかもしれないと、思い直してください。
それを繰り返すことで、知情意を学んでください。
そうすると知情意はあなたの血となり肉となり骨となって、本当の力になっていくでしょう。
そうすることで、本当の自分を見つけ出すことができるのです。
その時、敷いてあるレールは、もう、親や先生や友達に敷かれたレールではありません。
たとえ形は同じレールであっても自分のレールです。
そして、
ボクからのお願いなのですが、
できれば、レールがない荒野を、さまよって、自分自身で道を切り開く努力をしてください。
みんなが安心して使える道を作り出してください。
その意志を持ってください。
これが私が本を読むことを勧める理由です。
将来、二十歳になる娘へ贈る。